棒タラとは、北海道の近海でとれた真タラを天日干ししたもの。棒のように固いためにそのような名前がつけられた。水に10日ほど漬けて戻してから料理される。産地は北海道の稚内、または利尻島が中心である。11月から3月にかけて漁をし、5月頃、製品になって京都に入ってくる。これは近くに海のない京で育った特殊な食材である。棒タラ煮は、京での晴れの料理で、正月のおせち料理、お盆、冠婚葬祭や祭事、仲秋の名月(いも名月)などによく出されている。京名産の、海老芋(小芋)と棒タラとを炊いた煮付け(いもぼう)は特に有名である。