節分いわし

 節分は季節の分かれ目の意味でもともとは「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれの前日を指していました。

室町時代の頃より、寒い冬から暖かい春になる立春の前日が重要視されて現在に至っているようです。

西日本でイワシを食べる習慣は、イワシの頭を柊の枝にさし、戸口に刺す鬼避けの風習からきているものと思われます。イワシを焼くときの独特の臭いにおいと、柊が常緑樹で先が尖り、焚くとぱちぱちと大きな音がすることなどが鬼の嫌がる弱点として考えられていたと思われるのです。

こうした厄払いの神事を通じて春を迎える行事として、この時期イワシは欠かすことの出来ない貴重な魚として食されるようになっていきました。

またこれは季節の節目を健康に乗り切るというおしえであったことも現代科学で立証され、いわしが重要な栄養素を豊富に含み、現代の人達を悩ます病気の予防などにも大変効果的であることが分かっています。

主な栄養素として

EPA・DHA・タウリン・亜鉛・ビタミンB2、D・カルシウム・鉄分

などがあげられ、効能としては

視力低下・味覚障害・口内炎・高血圧・骨軟化症・骨粗しょう症・貧血・動脈硬化・脳卒中・血栓症・中性脂肪・痴呆症・アレルギー・糖尿病

などがあげられます。

新鮮なものは生でも美味しく、塩焼きはもちろん、蒲焼、生姜煮などいろいろな食べ方ができますが、干物にすることでさらに栄養価があがります。乾燥に強いEPA、DHAは脂の為ほとんど壊れることなく、二匹で一日に必要な量が摂取できます。また水分がとんでいる為、カルシウムを摂取しやすく、その吸収に必要なビタミンDも含んでおり、効率の良い食材といえます。

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