京都塩干魚卸協同組合
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海から遠い土地では新鮮な海産物を手に入れることが難しかった昔、京の料理人は数々の塩干食材を使って、海の幸を利用して来た。結果として、それは京料理の独特のスタイルとなった。
ここ京都には、全国でも選りすぐりの上質の塩干食材が集まる。
京の食文化を陰で支えてきた、塩干食材カタログ、とくとご覧あれ。
塩さば 甘鯛 ちりめんじゃこ
棒タラ 紅鮭 数の子
ごまめ 京風かまぼこ
●塩さば
晩秋から翌春にかけてが旬の塩さば。産地は焼津を中心として、近年では九州・銚子・三陸・ノルウェー・韓国からも多く入荷している。2月頃にとれる寒さばは一番脂がのっていて美味しい。さばは一年を通して日本近海を回遊し、とれる場所と時期が決まっていたが、近年、黒潮の南下、海水温の上昇などで、場所と時期がズレてきている。京都の鯖料理は鯖寿司・きずしが特に有名で、大阪ではバッテラが有名である。さばは動脈硬化・老人痴呆・ガン予防などによく効くといわれている。
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●甘鯛(グヂ)
春先から夏にかけてが旬の甘鯛は、7月が特に脂がのるとされている。城崎・津居山(兵庫)・浜田(島根)・萩(山口)などが主な産地である。浜で腹を出して塩をふり、京都には漁をした次の日には入荷されてくる。背開きをしたときに、底の腹びれの所にほんのりと脂が白くなっているものが美味しいとされている。淡白な味である反面、脂がのっている、といわれる甘鯛は、頭は吸物に、身はお造り(ポン酢で食べる)や酒むしに、皮はカラアゲに、と、捨てる部分がないくらいである。昔、祇園のお茶屋さんが客を招く時、上等の魚として扱われてきた。
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●ちりめんじゃこ
比較的身近な存在で、大根おろしとまぶして食べるとおいしい「ちりめんじゃこ」。ちりめんじゃことは、片口イワシなどの稚魚を新鮮なうちに塩で茹でて、釜揚げし、天日干しして乾燥させたものをいう。福島から鹿児島にかけての太平洋側沿岸、淡路島、山口より主に入荷がある。関西では特に上乾(じょうかん)で、低塩分のものが好まれる。京都名物に、山椒とちりめんじゃこを炊いた、チリメン山椒がある。とうがらしと炊いても美味である。ちりめんじゃこは塩以外の添加物は一切使用せず、また、太陽の陽ざしをたっぷり浴びて、自然のミネラルを十分に含んでいるため、健康食品としてはなくてはならない食品である。特にカルシウムをたっぷり含んでいるため、骨の発育には絶大なる効果がある。
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●棒タラ
棒タラとは、北海道の近海でとれた真タラを天日干ししたもの。棒のように固いためにそのような名前がつけられた。水に10日ほど漬けて戻してから料理される。産地は北海道の稚内、または利尻島が中心である。11月から3月にかけて漁をし、5月頃、製品になって京都に入ってくる。これは近くに海のない京で育った特殊な食材である。棒タラ煮は、京での晴れの料理で、正月のおせち料理、お盆、冠婚葬祭や祭事、仲秋の名月(いも名月)などによく出されている。京名産の、海老芋(小芋)と棒タラとを炊いた煮付け(いもぼう)は特に有名である。
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